庭木の中にハチの巣があるかも。剪定を止めた後、誰に何を頼む?
庭木のハチが気になって剪定を止めた後の手配を解説。巣の処理・枝切り・通常の剪定の分担、自治体の制度変更、作業再開時の引継ぎを確認できます。
剪定中にハチが同じ茂みへ出入りしたり、巣らしい物が見えたりしたら、作業を止めて離れてください。枝を切って見やすくする、棒で揺らして確かめる、といった確認は避けます。巣が見えなくても、すでに見えた出入りの位置を伝えて相談できます。
その後は、ハチの調査・駆除と、庭木の剪定を分けて手配します。両方を扱う会社もありますが、巣を処理する費用に枝切りや剪定のやり直しまで含むとは限りません。作業を再開する条件まで、最初に相談しておきましょう。
巣を探すために枝を動かさず、剪定を中断する
ハチの出入りが気になる木は、枝を揺らしたり刈り込んだりせず、そのまま調査を相談します。
大阪市は、剪定前に木の中の巣へ注意し、巣を刺激しないよう案内しています。葉の奥へ手を入れる、長い棒でたたく、刈払機を使って周囲を開けるといった行動は、外から見る確認とは違います。
「一匹しか見なかった」「しばらく待ったら飛ばなくなった」という状態だけで、枝の中に巣がないとは判断できません。逆に、花にハチが来たことだけで必ず巣があるとも言えません。相談では、この二つを分け、どこへ出入りしていたように見えたかをそのまま伝えます。
| 気づいたこと | いったん止める作業 | 相談で伝えること |
|---|---|---|
| 生垣の同じ所へ出入りする | 刈り込み、枝をかき分ける確認 | 道路側・家側など、出入りしていた位置 |
| 切ろうとした枝の奥に巣らしい物がある | 枝切り、巣を支える枝の移動 | 巣が見えたこと、木の場所 |
| 剪定を始めたら複数のハチが出た | 剪定の続行、道具を取りに戻ること | どの作業の後に出てきたか |
| 巣の場所は分からない | 葉の奥や幹の空洞をのぞくこと | 見えないままであること、ハチの動き |
これは、巣の種類を判定する表ではありません。木へ近づいて追加情報を集めるためにも使いません。高さや巣の大きさが分からないなら、「測れていません」と伝えてよい情報です。
庭師が来る予定なら、先に知らせる
予約済みの剪定業者には、訪問前に場所と状況を連絡します。ハチ駆除を扱えるか、別の業者による確認が必要か、当日の作業を延期するかを聞きましょう。庭師だから必ずハチも処理できるとは限りません。
作業する木だけでなく、道具の搬入路や枝を運ぶ場所も伝えます。巣があるかもしれない茂みの横を通らないと庭へ入れないなら、その事情が訪問計画に関わります。「玄関側からは入れる」「庭の裏口の近くに出入りがある」など、普段の位置関係で説明すれば十分です。
作業を止めた場所の道具や切り枝は、回収のために戻らず担当者へ知らせます。家族や来訪者にも、その付近へ入らないよう共有してください。注意札を置くために近づく必要はありません。
駆除の見積もりでは、枝切りと撤去物の扱いを分ける
巣の処理、必要な枝切り、通常の剪定、切った枝の片付けを別々に確かめます。
ハチの巣に手が届くかどうかは、高さだけで決まるわけではありません。葉や枝が重なっている、隣地側に張り出している、作業車が近づけないなど、位置によって作業が変わります。自分で枝を払って準備せず、調査時に方法を聞きましょう。
巣を支えている枝を一部切る提案があっても、それが庭全体の剪定を意味するとは限りません。また、枝を切らずに作業する方法が取れるかも現場次第です。大切にしている木、切りたくない太い枝、境界付近の枝がある場合は、見積もり前に希望を伝えます。
| 仕事 | 合意しておく内容 |
|---|---|
| ハチと巣の調査 | 見えない場合の調べ方、調査だけで終わるときの費用 |
| 駆除・巣の撤去 | 対象の巣、撤去できない部分があるか、作業後の説明 |
| 作業に必要な枝切り | 切る場所、所有者の了承、別料金になるか |
| 庭木の剪定 | 駆除後に再開する範囲、仕上がりの希望、日程 |
| 撤去物の片付け | 巣と切り枝を誰が扱い、どこまで料金に含むか |
この表は編集部が用意した打合せ用の区分です。すべての現場で五つの作業が必要になるわけではありません。巣が見つからなかった場合や、剪定を延期して現状を保つ場合も含め、今回頼む仕事にだけ印を付けると使いやすくなります。
同じ会社に頼む場合も、仕事の区切りを残す
一社で両方を扱える場合は連絡がまとまりやすい一方、見積書が「庭の作業一式」だけでは、途中で変わった仕事を確認しにくくなります。駆除と剪定のそれぞれの範囲を示してもらい、作業中に追加の枝切りが必要になった場合の連絡方法も決めます。
別々の会社なら、駆除担当の説明を剪定担当へ伝える人を決めましょう。所有者が電話を取り次ぐだけでも構いませんが、木の位置や避ける場所が分かる図やメモがあると取り違えを減らせます。巣へ近づいて写真を増やす必要はありません。
自治体に頼めるかは、今年の案内を確認する
昨年の制度や隣の市の対応を前提にせず、自分の地域の対象と手配方法を確認します。
自治体へ連絡すると、巣の相談や業者の紹介を受けられる場合があります。ただし、行政が直接駆除する制度があるとは限りません。ハチの種類、土地や建物の所有関係、場所によって対応が違うため、名称だけで無料の駆除を期待しないようにしましょう。
たとえば大和市は、スズメバチの巣の駆除事業を令和7年度で終了したと案内しています。2026年7月27日更新のページでは、撤去が難しい場合の専門業者紹介先が示されています。過去に市へ頼めた家でも、同じ方法で手配できるとは限らない例です。
横浜市旭区は、福祉保健センターで駆除方法や業者の案内を行うと説明しています。こちらも、相談できることと、職員が庭木の巣を無料で取り除くことは別です。地域の最新ページを見たうえで、庭木の中で巣が見えないことや、剪定を止めていることを伝えます。
| 手配前に確認すること | 確認する理由 |
|---|---|
| 今年も制度があるか | 終了・変更前の案内を見ている可能性があるため |
| 巣が見えない状態でも相談できるか | 現地調査や業者紹介が先になる場合があるため |
| 庭木の枝切りも対象か | 巣の処理と樹木の作業を混同しないため |
| 所有者・管理者の了承が必要か | 賃貸や共用の植栽では手配者が異なるため |
| 自分で業者を頼む前に申請が必要か | 制度を使う際の手順を確認するため |
共用の植栽なら管理会社へ、隣地の木ならその所有者側へ相談します。自宅へ枝が伸びているからといって、巣の処理と枝切りをまとめて自己判断で進めないでください。ここでは枝を切る法的な権利を判定せず、作業を手配できる人を先に確認します。
業者へ連絡する際は、受付の人に「巣の駆除のほか、剪定を再開できるかの説明が必要」と伝えます。剪定の予定日だけを優先して処理を急がせるより、現場で必要な確認をした後に日程を決める方が、手配のやり直しを減らせます。
剪定の再開は「巣がなくなった」だけで決めない
駆除担当から避ける場所と再開時の条件を聞き、剪定担当へ引き継いでから作業を再開します。
巣を撤去したように見えても、自分で葉を揺らしてハチがいないか試さないでください。作業後にハチが戻る場合もあるため、どの場所を避けるか、再び出入りを見たときの連絡先を聞きます。すべての現場に使える「何時間後なら安全」という時間は、この記事では決められません。
横浜市の公園・緑地向けのハチの巣除去仕様書でも、戻りバチを考慮し、必要な立入禁止の範囲と期間を協議するよう定めています。家庭向け契約の共通ルールではありませんが、撤去後の説明が必要な理由を示す公的な例です。
剪定担当には、処理した木だけでなく、巣があった側や残した部分、薬剤の扱いに関する指示も伝えます。処理直後に枝を大量に切る、木へ水をかけるといった作業を予定しているなら、駆除担当へ先に確認してください。
順番に確認すること
- 駆除担当に、今回処理した場所と残っている確認事項を聞く。
- 剪定の再開について、現場に応じた条件を確認する。
- 剪定担当へ、避ける場所・予定する作業・連絡先を共有する。
- 再びハチの出入りを見たら作業を止め、元の担当へ連絡する。
来年の予防剪定と、いまの巣への対応は分ける
神戸市のFAQは、巣が作られる前の時期に庭木を剪定し、風通しをよくする考え方を紹介しています。これは巣が疑われる木を今すぐ刈り込むための説明ではありません。現在の巣への対応が済んだ後、木の種類や剪定に適した時期を庭師と相談する材料にします。
次回の剪定予約では、以前巣があった木と時期を伝えます。ただし、前年と同じ木だけ見れば十分とは考えず、作業前の確認を依頼しましょう。庭の荷物を整理する場合も、ハチの出入りがある物置や積み重ねた物を、確認のために動かさないようにします。
駆除担当の説明を剪定担当へ引き継ぎ、再開条件をそろえましょう。駆除と剪定を一つの予定として無理に済ませず、それぞれの仕事と再開条件を合わせておくことが、庭を再び使うための準備になります。
害虫対策や業者選びの疑問を、公的機関の資料や事業者の案内をもとに、暮らしの言葉でお届けします。
参考資料・編集について
以下の資料を参考に、編集部が家庭向けに構成・執筆しました。写真・イラストはイメージで、図解は本文の要点をまとめたものです。
- 大阪市淀川区 ハチについて
- 大和市 スズメバチの巣の駆除について
- 横浜市旭区 ハチの相談
- 神戸市 ハチの巣が出来ないようにするには
- 横浜市 ハチの巣除去作業特記仕様書(令和2年10月改定、公園・緑地維持業務向け)


