シロアリ駆除後に残す書類は?施工写真・保証書・点検記録の整理方法
施工後の報告書と写真、保証書、次回点検の案内をどう照合するか。公式の書類・点検例を比べ、家族へ引き継げる記録の作り方を解説します。
シロアリの施工が終わったら、保証書だけでなく、施工報告書・場所が分かる写真・次回点検の案内を一緒に残しましょう。「どこを処理したか」「何を保証するか」「次にいつ調べるか」は、それぞれ別の書類で確かめる内容です。
この記事は、工事後に受け取った書類を整理したい方に向けた確認ガイドです。実際の施工会社が公開する報告・点検の例を比べ、書類が足りないときの質問や、家族へ引き継ぐ記録まで説明します。ご自身で床下に潜って撮影する必要はありません。
まずそろえたい書類はどれ?
報告書は実施内容、保証書は約束の条件、点検記録はその後の状態を確かめる書類です。
工事が済んだ日に手元にある紙を、見積書、契約書、施工報告書、保証書、領収書に分けます。名称は会社によって違い、写真や保証条件を一冊にまとめる場合もあります。枚数をそろえることより、必要な情報がどこにあるかを家族が見つけられる状態にすることが目的です。
| 書類・記録 | 読み取ること | 足りなければ聞くこと |
|---|---|---|
| 見積書・契約書 | 依頼した工法・場所・作業と合意した金額 | 当日変更した仕事はどこに反映されたか |
| 施工報告書・写真 | 実際に処理した日・場所・方法 | 見積もりから変わった場所や処理できなかった所はあるか |
| 保証書・保証規定 | 保証の対象、開始・終了、連絡先、除外条件 | 再施工と建物の修理費はそれぞれ対象か |
| 点検案内・点検報告 | 次の点検時期と、その日に確認できた状態 | 予約は会社から案内されるか、自分から連絡するか |
| 領収書・支払い記録 | 支払日・相手・金額 | 追加工事の明細と対応するか |
領収書だけでは、家のどこへ薬剤を使ったかは分かりません。逆に、施工写真がそろっていても、再発時に無料で作業する約束まで写真から読み取れません。工事の記録と契約上の約束を一組で保管すると、あとから問い合わせる際に説明しやすくなります。
書類が後日届くときは、受取予定も記録する
工事当日に口頭説明を受けたら、「正式な報告書はいつ、どの方法で届くか」をメモします。メール、郵送、専用画面など、受け取り方も確認しておきましょう。約束の日を過ぎたら、工事日・契約者名・住所を添えて施工会社へ問い合わせます。
届いたPDFは、案内メールへのリンクだけに頼らず、自分が開ける場所へ保存する方法もあります。紙は文字と写真が読める状態で保管し、必要に応じて控えを作ります。保証書の原本が必要かは会社へ確認し、撮影したからといって原本をすぐに捨てないでください。
写真は枚数より、場所と作業を照合する
写真番号を部屋や図面と結び付けると、処理済み・未処理・未確認の違いが分かります。
床下の写真は、慣れない人には同じように見えるものです。「写真がたくさんあるから全体を処理した」と受け止めず、どの部屋の下か、施工前・施工中・施工後のどれかを説明してもらいましょう。写真に写る範囲だけで、壁の中や床下全体の状態まで確定できるわけではありません。
簡単な間取り図に写真番号を振り、作業場所を対応させると、次の点検でも使いやすくなります。図面がなければ「台所の点検口から右」「浴室に隣接する床下」のような位置の説明でも構いません。分からない所は推測で塗りつぶさず、不明のまま担当者へ聞く項目にします。
| 報告にある言葉 | そのままでは決まらないこと | 確認する問い |
|---|---|---|
| 床下を処理 | 浴室下や増築部分も含めたか | 処理範囲を間取りに示せますか |
| 異常なし | 見ていない場所まで問題がないか | 見られた場所と見られなかった場所はどこですか |
| 補修済み | 穴埋めか、傷んだ木材の修理か | 何を補修し、どの写真に対応しますか |
| 薬剤使用 | 使用場所と方法、具体的な製品 | 製品名と施工箇所を報告書に残せますか |
処理できなかった場所は、理由と次の対応を聞く
人が通れない狭い場所、構造上開けられない部分などは、作業や確認の範囲が限られる場合があります。その事情があることと、家全体で契約どおりの仕事が済んだかは別の確認です。処理できなかった場所、代わりに行った方法、次回どう確かめるかを一緒に説明してもらいましょう。
たとえば「浴室下は進入できず、周囲から施工した」と説明されたなら、浴室下を直接見ていないことも記録します。これは編集部が作成した確認例です。特定の家で十分な施工かを、この一文だけで判定するものではありません。保証の対象範囲にも関係するため、報告書と保証規定の両方で対応を聞きます。
施工後に初めて水漏れや木材の傷みの説明を受けた場合は、その写真を別にまとめておきます。シロアリの駆除が終わったことを、水漏れ修理や木材交換まで終わった意味に置き換えないためです。別業者へ修理を頼む際にも、確認された場所が分かる資料が役に立ちます。
保証書と点検予定は、別々に確認する
保証の終了日と次回点検日は別です。異変があれば、予定点検を待たずに連絡してください。
「5年保証」とあっても、毎年点検するのか、途中と満了時に案内されるのか、希望時に依頼するのかは会社によって異なります。保証は再発時などの対応条件で、点検予定は状態を確認する日程です。両方をカレンダーや一枚の管理メモへ移しておきましょう。
| 公式案内の例 | 点検の案内 | 自宅の契約で確かめること |
|---|---|---|
| 雨宮 | 工事後2〜3年目の中間時と、保証満了の5年目に案内。保証期間中2回の無料点検 | 案内方法、転居・連絡先変更の届け先 |
| 西日本シロアリ防除 | 保証期間中、顧客から要望があれば何度でも無料シロアリ点検 | 依頼窓口、日程、今回の施工が保証対象か |
表は2026年10月5日に確認した各社の公開案内です。実際の契約・工法・対象建物によって条件を確認してください。点検頻度だけで会社の優劣を決めたり、どの家にも同じ予定を当てはめたりするための表ではありません。
無料再施工と修理費の補償を分ける
保証書には、虫が再発したときに駆除を行う約束と、新たな被害の修理費についての条件が分かれている場合があります。「保険に入っている」と聞いただけで、自宅の被害修理がすべて対象になるとは限りません。対象となる建物・工法、補償の上限、対象外になる事情を該当書面で読みます。
保証の内容を詳しく比べたい場合は、関連記事で再施工と修理費の違いを確認できます。ここでは自宅の保証書に対応する説明だけを管理メモへ転記し、不明な条件を残さないことを優先します。
次の点検まで使える、一枚の記録にまとめる
工事・点検・異変の記録を時系列で残すと、家族や次の担当者へ同じ情報を渡せます。
国土交通省の住宅評価に関する参考資料では、シロアリ防除を行ったことを示す書面と、蟻害・腐朽の状態が分かる検査報告書を分けて説明しています。また、住宅履歴には点検・診断、修繕、リフォームなどの情報が含まれます。古い資料なので当時の業者数や工法の条件を現在へ流用せず、記録を分ける考え方を参考にします。
自宅でも、施工前の調査、施工当日、後日の点検、別工事を日付順に並べてください。古い報告書を新しい点検結果で上書きすると、いつ状態が変わったか分からなくなります。更新版が届いたときも、訂正前の資料と訂正理由を残すと経緯が追えます。
| 記録の欄 | 記入する内容 |
|---|---|
| 施工 | 日付、会社・担当窓口、対象住所、工法、報告書の保存先 |
| 範囲 | 処理した所、処理できなかった所、その理由と代替対応 |
| 保証 | 開始日・終了日、対象・対象外、該当書面の保存先 |
| 点検 | 次回予定、予約方法、実施後の報告書 |
| 変化 | 発見日、部屋・場所、写真番号、相談先と返答 |
異変があれば、予定日を待たず元の施工会社へ
新しく虫を見つけた、床の状態が変わった、水が漏れているなどの場合は、次回点検まで待つ必要はありません。安全に見える場所から写真を残し、発見した日と場所を元の施工会社へ伝えます。虫の種類や被害の原因は、写真だけで分からない場合もあります。自分で床下に入ったり、構造材を削ったりして確かめないでください。
家の売却やリフォームを考えたときも、このファイルを最初の相談材料にできます。ただし、記録を渡しただけで保証が新しい所有者へ引き継がれるとは限りません。名義変更や改修の影響は施工会社へ確認し、その回答を同じファイルに加えておきましょう。
最後に、工事と関係のない家族の個人情報まで写真や書類に写っていないかも見直します。別会社へ相談する際は、必要なページを選んで共有する方法があります。自宅の状態を正確に伝える記録を残しつつ、住所や連絡先の扱いにも気を配ってください。
害虫対策や業者選びの疑問を、公的機関の資料や事業者の案内をもとに、暮らしの言葉でお届けします。
参考資料・編集について
以下の資料を参考に、編集部が家庭向けに構成・執筆しました。写真・イラストはイメージで、図解は本文の要点をまとめたものです。
- 雨宮:施工完了までの流れ
- 西日本シロアリ防除:保証サービス
- ホームキーパー:品質と記録
- 国土交通省:住宅評価の参考資料・防除処理を証する書面と住宅履歴


